maguro_ryo’s blog

だいたい20歳の人間がだいたい適当に書くやつです

足枷

私の中の他者が私の身体で飛び降りるのを防止するように、私は足枷を一つずつ数える。あの人が生きている。あの人も、まだこの世を生きるに値するものだと考えている。あの人は楽しそうにしている。人が集団で生きていることの効果があるとしたら、それは魅力的だと思える人が目の届く範囲で生きている可能性を高めるということである。こんなに好きなあの人が、まだ生を選んでいる。ああなりたいとすら思う人が、自分と同じ現実で、しょうがないなと思いながら生きている。こういう一つひとつが何よりも重く足を留めさせる。そして大抵、生きれば生きるほど、枷の数は増えていく。時間が経つほど癒着して、未練になっていく。はやく、いまだ、と思うわたしが足枷を振り払おうとする試し行動は、いずれ失敗(成功)し、わたしは私の身体を引き摺って重力を辞任する。